「投資を始めれば、人生がバラ色になる」 そんな淡い期待を持って、周りに流されるように投資の世界へ飛び込んだのが3年前のことでした。
当時の僕の日常は、今思えば滑稽なほど余裕のないものでした。朝起きてはスマホでチャートを確認し、仕事中も隠れては投資アプリを開く。数百円のマイナスが出るたびに心拍数が上がり、プラスになれば一瞬喜んで、また次のマイナスに怯える。
あれは「投資」ではありませんでした。ただの「不安の売買」を繰り返していただけだったのです。
「数百円のマイナス」に疲れて捨てた、あの日の夢
結局、僕は耐えきれずに全解約しました。 複利という概念も知らず、ただ「全然増えないじゃないか」という苛立ちと、目先の数百円の損失に疲弊してしまったからです。
解約した直後、チャートが右肩上がりに伸びていくのを指をくわえて眺めていた時の後悔といったらありません。そして、解約したお金はどこに消えたのか? 記憶にすら残らないまま、生活費として霧散していきました。
当時の自分には、明確なゴールもなければ、自分の人生をどうコントロールしたいかという指針もありませんでした。他人との比較ばかりが先行し、焦りだけが空回りしていたのです。
1700万円の「盾」がくれたもの
それから数年。現在の僕の資産は、オルカン1300万円、現金300万円、保険100万円の合計1700万円になりました。
不思議なことに、資産が増えた今、僕が一番感じているのは「お金が増えた喜び」よりも、「心の余裕」です。
1700万円という数字は、僕にとっての「盾」になりました。 「もし何かあっても、家族を守れるし、自分も食いつなげる」。この確信があるだけで、仕事のプレッシャーに対する受け止め方が劇的に変わりました。かつては理不尽な要求にもヘラヘラと笑って応じるしかなかった僕が、今では「それは嫌です」と自分の意思を伝えられるようになった。自分の領域を自分で守れるようになったのです。
数字の目標から、「ライフプラン」の達成へ
かつては「5000万円」という数字のゴールだけを追いかけていました。しかし、今の僕が目指しているのは、単なる資産額の最大化ではありません。
現在は「老後資金」「住宅資金」「教育資金」という、人生の3大支出を確実に準備することにシフトしています。
- 老後資金: すでに1000万円を投資済み。これを30年かけて運用する体制を構築し、目標達成のラインに乗せました。
- 住宅資金: 次なるターゲットは頭金600万円。
- 教育資金: 3歳と0歳の息子たちのために、毎月5万円を淡々と積み立てる。
今の資産構成は、単なる残高ではなく、「僕の家族の未来を支える設計図」そのものです。
投資は「自分を取り戻す作業」である
今、もし投資で焦りを感じてスマホばかり見ている人がいるなら、伝えたいことがあります。
「投資は、数字を増やすための作業ではありません。自分自身の人生を、自分の足で歩くための土台作りです」
資産が貯まれば余裕ができるのではなく、「自分にとっての譲れないもの」を大切にしながら、淡々と積み立てることで、結果として心に余裕が生まれる。そしてその余裕が、仕事や人間関係、さらには日々の幸福感までもを変えてくれるのです。
あの日の自分に、今の僕ならこう声をかけます。 「スマホのチャートを見る時間があるなら、住宅や子供の将来について家族と話し合おう。明確な目的地さえあれば、道のりの多少のデコボコなんて気にならなくなるから」
今日も僕は、オルカンを積み立てます。 それは数字を増やすためだけでなく、僕と家族が安心して未来を迎えるための、大切な一歩なのです。



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