「2026年8月から、高額療養費制度が改悪されます」 そんな見出しを見て、ドキッとした人は多いのではないでしょうか。SNSやニュースでは、「負担が増えるから、今のうちに手厚い医療保険に入っておこう!」なんて声が溢れています。
でも、正直に言います。その判断、あなたが損をする「最悪の選択」かもしれません。
何が「改悪」されるのか?
今回の改定の要点は、高額療養費制度の「自己負担上限額の引き上げ」です。 2026年8月から所得区分ごとに自己負担の月額上限が段階的に引き上げられます。これにより、今までよりも月々の持ち出し額が数千円〜数万円程度増える世帯が出てくるのは事実です。
しかし、ニュースではこの「負担増」を強調し、「だから今すぐ民間保険の準備を!」と煽ります。果たしてその数万円の持ち出しを防ぐために、毎月5,000円、年間6万円、30年間で180万円という「確定的なコスト」を払い続けることが、本当に合理的でしょうか?
保険は「不要」ではなく「役割を見極める」もの
誤解しないでください。私は決して民間保険そのものを否定しているわけではありません。 保険とは本来、「めったに起こらないが、起こると家計が破綻するほどの大きな損失」に備えるためのものです。
一方で、多くの人が加入している「日額タイプの医療保険」や「過剰な保障の特約」は、本来であれば国の公的保障や、自分の現金クッションで十分にカバーできる範囲であることがほとんどです。「安心を買う」という名目で、自分の家計をジワジワと蝕む「不要な固定費」を積み上げていないか。一度、自分のライフプランと照らし合わせることが重要なのです。
数字で見る「保険 vs オルカン」の残酷な現実
ここで一度、冷静に数字を比較してみましょう。
- ケースA:医療保険を「安心」として持ち続ける場合 月々の保険料5,000円を30年間払い続けた場合、総額は180万円です。これだけで、万が一の際の自己負担増分を遥かに上回るコストを支払っています。
- ケースB:浮いた保険料を「資産」として育てる場合 同じ5,000円を「オルカン(全世界株式)」に回し、年利5%で運用できたと仮定します。30年後には、なんと約330万円以上に膨らみます。
「もしもの時の数万円の持ち出し」を過度に恐れて、「資産を大きく増やす330万円の可能性」を捨てている。これが、思考停止で保険に加入し続ける人が支払っている「隠れたコスト」の正体です。
「不安」ではなく「戦略」で守る
私が保険を必要最低限にし、資産形成に回している理由はシンプルです。「自分の資産は、自分自身でコントロールして守る」という戦略を持っているからです。
高額療養費制度の改悪があっても、新たに「年間上限」が導入されるなど、長期療養者に対するセーフティネットはむしろ強化される側面もあります。「改悪だ!」と騒ぐメディアは不安を売ることでしかお金を稼げませんが、私たちは正しい知識武装をすることで、その「不安」を「戦略」に変えることができます。
結論を言います。 医療費の負担増に怯えて、保険料という「終わりのない固定費」を増やすのは今日で終わりにしましょう。
制度の仕組みを理解し、現金クッションを用意し、その上で必要な部分だけ民間保険を賢く使う。これが、2026年以降の「賢い家計管理の正解」です。


