息子を寝かしつけた後の、ランニングと筋トレ。それが僕の夜のルーティンだ。
始めた当初は面白いほど体が変わるのが分かり、脂肪が落ちて筋肉がつくのを実感できた。しかし最近、その成長がピタッと止まってしまった。いわゆる、誰もが直面する「停滞期」だ。
ジムに行くと、そこにはトレーニングに全てを捧げた、まるで彫刻のようなムキムキの猛者たちが溢れている。 僕は「健康維持」が目的だし、あそこまで極めるつもりはない。……はずなのに、彼らと自分を比べて「自分はまだまだだ」と、なぜか焦りを感じてしまう自分がいる。
ふと、思った。
これ、投資も全く同じじゃないか?
3年前に始めた投資信託(オルカン)。最初は1万円からスタートし、紆余曲折を経て、今は毎月5万円を淡々と積み立てている。 途中、思うように資産が増えない時期に焦り、戦略をコロコロと変えそうになったり、最悪の場合は解約まで考えたりした苦い経験もある。
今の資産はオルカン1,000万円。大きな数字に見えるが、SNSを開けば短期で爆益を上げている人たちが目に入り、「本当にこの積立ペースでいいのか?」と不安がよぎることがある。
だが、今は確信している。
他人と比較した焦りで動けば、必ず失敗する、と。
筋トレの停滞期は、体が次の負荷に備えて強くなろうとしている「準備期間」だ。そして投資の停滞期は、市場の荒波の中で、次の爆発的な複利効果を生むための資産の土台を固めている「助走期間」だ。
焦ってフォームを崩したり、サプリを変えすぎたりしても筋肉は育たない。同じように、市場の雑音に惑わされて積立額を変えたり、売却したりしても、複利の恩恵は絶対に受けられない。
「健康のために続けている筋トレ」と「家族の未来のための投資」。
どちらも、他人と比較して短期的な変化を求めることよりも、「今の自分ができること」を淡々と続けることそのものに価値がある。
ここで、多くの人が陥る「停滞期」の罠と、そこを脱するマインドセットを整理した。
【比較】筋トレと投資の「停滞期」脱出マインドセット
| 項目 | 筋トレ(停滞期の心境と対策) | 投資(停滞期の心境と対策) |
| 最大の敵 | ジムのムキムキな人との比較 | SNSの「爆益報告」との比較 |
| 陥る罠 | フォームを崩す・焦って過度な負荷 | 頻繁な銘柄変更・途中解約(損切り) |
| 停滞の正体 | 筋肉が回復・強化される「準備期間」 | 複利が爆発的に伸びる前の「助走期間」 |
| 最強の対策 | 正しいフォームの維持・計画的な休養 | 淡々とした積立継続・そして「放置」 |
| 真のゴール | 家族と長く、元気に過ごせる体 | 家族を守り、豊かに暮らすための資産 |
周りと比べる必要なんてない。
昨日より1回多く腹筋ができたこと。 昨日より1円多く資産が増えたこと。
その小さな積み重ねこそが、誰にも負けない最強の自分と、未来の家族を守る強固な盾になる。
停滞期は、諦め時ではない。次の「爆発的な成長」が待っているという確かな証拠なのだ。
今日も息子たちを寝かしつけた後、僕は静かに靴紐を結ぶ。 他人ではなく、昨日の自分を超えるために、僕はまた夜の道を走り出す。



